父親と姉は自殺したので、密葬した。
正しくは姉は葬式すら上げてないので、直葬という形を取った。
姉はひきこもりで友達もおらず、誰も線香をあげには来ないだろうという
母親の判断で葬式を上げず、直葬となった。
警察の遺体置き場でオレと母だけで線香をあげ、そのまま火葬場へ直行。
火葬され、骨壺化。その時間およそ3時間。
葬式をしないという選択って、頭では理解できるが、いったいなんなんだ。
死亡確認後、直で火葬される人生ってなんなんだ。
父親は密葬となった。
そもそも密葬を行う場を調べるところから始まり、
自宅からはかなり遠い辺鄙なところで行った。
とても悔しく、涙が止まらなかったことを覚えている。
仕事もクビになり、友達もおらず、家でも阻害され、行き場がなくなった結果。
姉と同じだ。
行き場のない人生ってなんなんだ。死んだ方がいい人生ってなんなんだ。
どちらも残された家族は、少なくともオレは自分を形成する一つの価値観になった。
人は死ぬときは死ぬ。死にたいとか言わないで死ぬ。
行動を起こすときは、宣言の必要はないんだ。
やりたいことを淡々と行うんだ。
国葬が行われた。
建前なのかどうかはわからないけど、たくさんの人が故人について
追悼の意を示している。
父親と姉は誰からも追悼されなかった。
追悼される数の多少ではないけど、少なくともオレの場合は
沢山の人の心に残りたい。
とはいえ死んだらどうでもよくなるのかもね。